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『ある日ある時』震災 18
![]() 唯一、医療を開始していた日赤までの道順は、すでに通行確認していたし、食料調達をかねて、緊急に治療をしなければならない高橋さんを乗せて、日赤に向かった。 以前、湊地区にあった当時から、職場として恩恵にあずかっていた日赤。 現在の場所に来てからも、変わらず職場として、時々、待機させていただいた。どの方向に進み、何処に駐車すべきなのか、迷うことはなかった。 到着した、そこは戦場だった。 間断なく離着陸を繰り返す緊急ヘリの爆音。 引きも切らずやってくる救急車。 |
![]() 走り回る医師、看護師。 担架に乗せられたまま治療を待つ人。 包帯をぐるぐる巻きにされた人。 どこもかしこもけが人、病人で溢れていた。 医師にも、看護師にも、不眠不休が見て取れた。 津波の被災地は、少なからず落ち着きを取り戻し、穏やかなのに、ここは、戦場の真っ直中だった。 戦いの目的は、ただ一つ救命、救急。 |
![]() 今日は時間が早かったこともあって、一時間程度待っただけで、10Kg入り米5袋、麺類5袋を手に入れることができた。 5品制限では? はじめ米を見つけることが出来ず、麺類をカゴに入れてからレジに向かう途中で、米を見つけた!! 思わず、5袋入れて運んだのだが、余りの嬉しさに麺のことをすっかり忘れてしまった。 米の会計途中、麺が出てきた。「アッ!!戻してきます」 事の次第を話すと、そぉーーーと、麺も会計してくれた。感謝感謝!! 次の日は、野菜、果物を無料で制限なく提供してくれていた。 様々な野菜果物を手に入れることができた。 この日は、会館の責任者に事情を話し、五人でやって来ていたので、当面の食料を調達することができた。 店の名前は、ヨークベニマルあけぼの店、秋田の二次避難先に系列店がないのは残念でならない。 |
![]() 三時間並んだが、帰る時間が迫って責任者の勧めもあって諦めた。 まったく話にならない販売方法で、販売をしていた。 結局、長蛇の列ができてしまっていた。 三時間で百人程度、と言うことは、最後尾の人が購入できるのは、十日ほど先の計算になった。 長蛇の列のかしこから聞こえる話で、例のイオンにも、避難されている人が、少なからず居たようで、 瞬間、避難者を優先するため、販売はしなかったのかもしれないと善意に解釈したのだが、 その避難者自身が、列に並んでいた。 彼らが言うには、配給される食糧は、クッキー一枚で、それが毎日だったらしい。 数日前の入り口状況といい、今日の避難者自身の話といい。 何か事情があると解釈するにしても、益々怒り心頭!!赦しがたかった。 |
![]() なにやらビニールらしき物で綺麗に包まれた四角い物体が流れて来たらしい。 一人で持ち上げるには苦労したとのこと。 「おぉーー俺にもくれよ!!」「やるやる!!取りに来い!!」「信じられねぇーなぁーーー!!」 「大丈夫かぁ?」「関係ねぇんじゃん」確かに、届けたところで受理してる暇などないはずだ。 暇など無い、そう信じたかった。 実際は、どうだか確かめようもなかった。 お茶のみ時間で忙しかったかも知れないが。。。(^^ゞ その後、車なり、家を購入するなりしたのか、それは知らない。 ※ 確か、通し番号は記録・・・記録した物、そのももがおじゃんか。。。捕まる心配はないな。。。(^^;) この頃、すでに各所に自衛隊が入り、幹線道路を塞いでいた被災自動車を通行の邪魔にならない程度に移動、ガレキの撤去を開始。 少なからず、安全とまでは行かないまでも、どうにか通常の運転で通行可能な状態までに成ってきた道路が増え始めた。 |
![]() この頃、皆、少し落ち着きを取り戻し、道路事情も改善されたこともあって、車の所有者は、自身で運転をし移動することが多くなってきた。 また、避難所の統制と言うこともあって、管理者に事情を話し、できる限り支援物資を運んでくることを約束して、勤めていたタクシー会社まで車を手配して貰えるよう要請した。 初日、食料調達のために車を貸してくれた天野さんが送ってくれることになった。天野さんも、すでに自分で運転をし、用事を済ませるまでになっていた。徐々に、私が運転する出番はなくなりつつあった。 |
![]() この先は北上川沿いを行かなければならい。 どうしても行くなら自己責任で、警察官から警告されてしまった。 あと1km歩くことにした。 歩き出してはじめてこの地区も浸水被害が及んでいることを知った。 この被害を見ると、会社の被害程度が想像できた。 歩き始めて程なく、勤めている会社とは違う三○タクシーがあった。 車庫は悲惨な状況、声を掛けるにも掛けにくい惨状だった。 無事な車は、すでに救援物資輸送に向かったはずで、残ってる車はないはずと思っていたが、車庫の後ろ高台に数台のタクシー、ジャンボタクシーまである!! 社長を捜し出し話をするが、要請などには全く応じる気配がないようだった。 また、高台にあったタクシーをよく見ると、運転手がすべて乗っていた。 自分の勤める会社に行った所で、同じはずだとお思い知らされた。 甘かった、悔やんだ!!これほどの災害に見舞われても、まったく関心がなかったようだ。 |
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