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『ある日ある時』震災 15
![]() 予め、津波を想定していたのか、嵩上げされた土地に建つ、建設間もない住宅は、概ね大規模な浸水は免れていた。 ここまで来る途中の新しく造成された宅地にある住宅も同じく、床上浸水程度の被害で済んでいた。 これまで歩いて来た所の地形、その後、知った被害場所の地形を思い描いてみる 海岸線から離れていない地区は、やはり被害が甚大だった。 しかし、離れている距離は同じでも、被害の程度が全く違っていた。 ある程度原形を留めている家、土台だけが残り跡形もなくなった家、 |
![]() 海岸線方向、家の前、広い駐車場だったり、畑だったり、道幅の広い道路だったりすると、 普段は見晴らし良く、開けて日当たり良好の好条件だったかも知れないが、津波にとっては、格好の獲物になってしまったようだ。 海岸線から相当離れている場所にある建物でも、海岸線方向が開けている条件は、一撃必殺の様相を呈していた。 程度にもよるのは言うまでもないが、海岸線に近くても、海岸線方向に、隣接する建物が有ったりすると、浸水だけで済んで、辛うじて原型を残す建物が多かった。 同じく被害甚大は、海岸線に対して垂直に内陸方向に延びる道路の交差点にある建物、原型を留めていなかった。 |
![]() 皆、意気揚々たるものだった。 被災からそろそろ 24 時間、まだまだ意気消沈出来るような事態、状況、深刻さではなかった。 涙を溢れさせる余裕、深刻さを認識できる余裕、怒りを顕す余裕、悔しさを顕す余裕がうまれるのは、まだまだ、先の話だ。 巨大な揺れに続いて、巨大な津波、あれだけの揺れに家は耐えてくれた。 一時の安堵感の次に、着の身着のままでの避難、破壊し、流し、残した物にもヘドロの洗礼、今思うと笑うしかないような惨状だった。 |
![]() しかし、一瞬目を疑った。駐車場に数台の車が有るだけで、ひっそりしていた。信じられなかった。 阪神・淡路大震災時の会館果たした役割を知っていた。 すでに時間が経ちすぎている。 自分たち家族は駐車場で寝泊まりするしかない事態を覚悟して来たのだが・・・。 |
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