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『ある日ある時』震災 04
家に入る時、確かに、付近には居なかった。もう一度、外に出て確かめて見たが、やはり付近にいる気配は無かった。
居たのは、隣家のおやじだけで、放心したように震えながら立っていた。日頃の経緯から、尋ねたくなかったが、事態が事態だ、思い切って尋ねてみた。ばあさんが指定避難所まで連れて行ってくれたらしい?一瞬耳を疑ったし、信じがたい話だが、信じるしかなかった。
急ぎ電話をしてみるが、規制が始まったのか、呼び出し音すらしなかった。すでに電話の機能は失われていた。諦めきれず何度か試すが、徒労に終わった。時間的に無事、避難所まで避難したはずだし、不思議と胸騒ぎが無かった。
二人はどうやら、無事避難したようだ。自分で自分に言い聞かせるしかなかった。多少、安心したことで余裕ができ、落ち着きを取り戻したのだろう。咄嗟に写真撮影を思い出し、撮影を始めた。二人は無事だったようだし、惨状の撮影も終えた。
![]() 戸外は、避難する人達、渋滞する車の列で、ざわついていた。 今思えば、時系列からして、あの時、その列に加わり避難所まで無事を確かめに行く行動をとっていたなら、このページの存在は無かった。 |
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